5月号 ディオバンは薬価表から削除すべき

 ディオバンを飲んでいた患者さんは、昨年だけで一人当たり6,000円もノバルティスに騙し取られていたことは、前回のブログでお話しました。しかし実はこの問題は、「ディオバンを飲んでいた人はお気の毒だなあ~」などと言っていられる程度の問題ではない。日本の医療が公的な健康保険制度で成り立っていることを考えると、ノバルティスは高血圧症患者だけを食い物にしていたのではなく、日本社会そのものを食い物にしていたと言える。今回はこの問題について解説してみたい。

 2013年の国民医療費は約42兆円であった。これほどの金額をどのようにして手当てしているかというと、健康保険料でファイナンスしているのが約48%、税金が約39%、患者の自己負担が約12%である。このことを考えると、騙されたのはディオバンを飲んでいた患者さんだけではなく、成人した日本国民の殆どが、健康保険料や税金という形でノバルティスにお金を騙し取られていたことが分かる。

 ではノバルティスにカモにされた日本社会の被害の内訳はどのようなものだろうか。
ディオバンの日本国内での売り上げは年間で1000億円である。これに先ほど述べた国民医療費のファイナンスの割合を当てはめてみよう。1000億円の12%、すなわち120億円はディオバンを飲んでいた高血圧患者さんの被害総額である。しかも被害にあったのは、ディオバンを飲んでいた患者さんだけじゃない。1000億円の39%である390億円は、日本の納税者すべての被害総額である。今年の春の消費税増税で暮らしが苦しくなったと感じている方も多いと思うが、ノバルティスは日本の納税者から税金を騙し取っていたのだ。それだけではない。成人している人なら、誰でも何らかの形で健康保険に加入していると思うが、ノバルティスは健康保険からも480億円も詐取している。会社員が加入する組合健保にしろ、あるいは国民健康保険にしろ、保険料の支払いは家計にとって大きな負担になっている。健康保険料の値上げに頭を抱えている人も多いはずだ。ノバルティスはその健康保険から金を騙し取ったのである。

 ここまで考えると、ノバルティスは高血症患者さんだけを騙したのではないことを分かっていただけると思う。ノバルティスは日本の社会そのものを食い物にしたのである。
 私としては、臨床試験のデータを改竄したのだから、ディオバンを薬価表から削除すべきだと思う。薬価表は日本で病気の予防や治療の目的で使用できる薬のリストであるから、薬価表から削除されるとディオバンは日本の医療から完全に排除されることになる。しかし心配など要らない。もうすぐディオバンのジェネリック品が販売されるからだ。私は、ディオバンのジェネリック品の発売を待って、ディオバンを薬価表から削除することを提唱する。ノバルティスの行為は到底容認できるものではないし、大体からしてジェネリック品が発売になってからも元の先発品が販売されていること自体が異常なのだから。

 ところで今回のノバルティスのような卑劣な行為は、外資系製薬会社では特別な出来事ではない。外資系製薬会社では、このような違法行為が日常的に行われている。次回のブログからは外資系製薬会社が日常的に行っている違法行為について解説したいと思う。日本の国民一人ひとりが皆被害者なのだから。

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